『薬屋のひとりごと』は、後宮の様々な謎を猫猫(マオマオ)が解いていくのが魅力的な他、一向に進展のない猫猫と壬氏(ジンシ)の関係を生暖かく見守るのが楽しみだったりします。
そんな煮え切らない壬氏がついに猫猫にプロポーズ?
それは一体何話での出来事?
調べてみました。
薬屋のひとりごとのプロポーズは何話?【ネタバレ】
結論から申し上げますと、壬氏の猫猫に対するプロポーズは小説版七巻の十八話、「男女の駆け引き」という章の中にあります。
【ここから内容についてのネタバレになります。苦手な方はブラウザバックでお願いします】
羅門(ルオメン)とともに帰らない猫猫をいぶかしんで、壬氏はなぜ帰らない?と猫猫に問います。
猫猫は。「壬氏様の顔色がずいぶん悪いようで。何日、徹夜しましたか?」と質問を質問で返しつつ、眠りにつきやすい薬湯を差し出します。
ようやく宮に帰ってこれたという壬氏。睡眠時間もあまり取れてはいないようです。
その時水蓮がやってきて、猫猫に寝間着を渡すとさっさと去っていってしまいました。
猫猫は(これは着替えさせろ、ということか)と思いつつ、壬氏の着替えを手伝います。
「燕燕(エンエン)にもこうして手伝わせていたんですか?」と猫猫が呆れたように尋ねると、壬氏はやってもらっていないと言います。
髪結いも燕燕はやっていたようですが、いつも部屋に水蓮がいて、部屋に二人きりになることはなかったようです。
では今の状況は?と猫猫。
壬氏と部屋に二人きりです。
「水蓮はおまえを買っているぞ」という壬氏。
「買われても仕方ないのですけど」と猫猫。
そうして、猫猫が壬氏が飲み終わった薬湯を片付けようとすると、壬氏にぐいっと手首をつかまれます。
「いつもはぐらかそうとする」
「さあ、なんのことでしょう」
このまま部屋にいるのは危ないと、猫猫は引き上げようとしますが壬氏が手を放してくれません。
「水蓮に急かされた。さっさと、妃を娶ればいいと。仕事が減ると」
「そうなんですね」
猫猫はあくまで他人事のようにしますが、壬氏の機嫌をそこで損ねます。
「俺が言いたいことの意味がわかっていて、どうして何もなかったように振る舞える?そんなに関わりたくないのか?」と壬氏は言います。
猫猫は「は……」(はい)と即答しようとして、慌てて口を塞ぎますがもう遅い。
壬氏は、「これだから羅門殿も苦労する。軍師殿の気持ちもわからなくもない」と、猫猫の地雷を踏んでしまいます。
壬氏も疲れていたのでしょう。
愚痴を漏らすこともできず、色々うっぷんが溜まっている上での睡眠不足です。
普段なら口に出すことはなかったのに、禁句を口にしてしまいました。
反面、猫猫も疲れていたため、つい爆発してしまったのです。
「壬氏さま。壬氏さまは私のことを、言葉足らずだとよく言いますが、壬氏さまも他人のことは言えますか?いつも、私に対して、「読み取れ」としか言えないような言動ばかりしているじゃないですか?はあ?読み取れ?雰囲気で感じろ?ああ、思い出しました。よくいる妓楼の客人にそっくりです。言葉で語らず、『俺の背中を見ろ、分かるだろ』といわんばかりの。好いた女にまっすぐ伝えられない。女とはいい雰囲気になったと思ったところで安心して文も何もよこさない。結果、横からトンビにかっさらわれてしまった情けない男を思い出します。それを振られた後に、妓楼にやってきては酒とともに、妓女に愚痴るのですよ。なら、最初からまっすぐ相手に伝えれば良かったんです。はっきりきっぱり、相手を不安にさせないくらいしっかり言えばいいんですよ」
と、一息に言います。
言った後で猫猫は、壬氏の表情がすぐさま変わり、寝台から立ち上がって見下ろしてくるのをみて(しまった)と思います。
売り言葉に買い言葉の状況です。
壬氏は「まっすぐしっかり言えばいいのか?言ったら、おまえはまともに俺の話を聞くっていうのか?聞いたぞ、本当だな!絶対だ!今から言うからな。ちゃんと耳を抑えず聞いておけ!」
と、すかさず耳を抑えようとする猫猫の両手を掴みます。
そうして一呼吸置くと、照れくさそうな顔をしながら猫猫を見て、「おま、いや、猫猫!よく聞いておけ!俺は、おまえを妻にする」と言ってのけます。
猫猫はそれを聞いて青ざめます。
言葉ではっきり言われてしまったら、壬氏と猫猫の立場では命令になり、猫猫はそれに逆らう術を持ちません。
今までの壬氏の曖昧な言動は、いわば猫猫に対する優しさの表れでした。
猫猫は思わずぽつりとつぶやきます。
「ここに仙人がいて、時を戻してくれないものか」と。
壬氏は猫猫に、「おい、頭の中がだだ漏れになっているぞ」と言い、目をそらすも、両手首はまだ離してくれません。
そうして壬氏は、「今の状況では、前におまえが言ったように、弊害が残る。それでは、本位じゃないだろう」と言って寝台の前の水差しを口にします。
ほてりを抑えるように。
そして、「必ず納得するだけの状況にしてやる。覚悟していろ。おまえの恐れているような状況には絶対にしない」というと、寝台に滑り込み、寝息を立て始めます。
それに対して猫猫は、自分が恐れていることをいくつか思い描きますが、壬氏がそれを解決できるとは到底思えず、そっと部屋を出ようとします。
部屋の入口に微笑ましい顔をした水蓮がいて、なぜかぐっと親指を突き立てていました。
猫猫は水蓮を睨みながら横を通り過ぎるしかありませんでした。
薬屋のひとりごとの猫猫と壬氏の関係はどうなるの?【ネタバレ】
十八話を読んだ感想になりますが、猫猫と壬氏の関係はそう簡単には変えられない気がします。
というのも、本人たちがその気であっても、壬氏の立場上、簡単に猫猫を
妻にできない理由があるからです。
壬氏は、立場上は今の皇帝の弟、つまり皇弟である華瑞月という存在です。
そしてその正体は、後宮を去っていった元四貴妃のひとり、阿多妃の一人息子です。
つまり、皇帝と阿多妃の息子、第一皇位継承権を持つ東宮であるわけです。
壬氏が皇弟として立場を確立させ、猫猫を妻に迎えれば、その子供もまた権力争いに巻き込まれるでしょうし、なにより玉葉后や梨花妃を敵に回します。
なにより、肝心の帝は弟(本当は息子)のことをどう思っているのでしょうか。
ふたりがラブラブな関係になるには(猫猫の性格上、そうはならないと思いますが)弊害が多すぎる気がします。
今のところは、これ以上の関係発展は望めないでしょう。
薬屋のひとりごとのプロポーズは何話?:まとめ
薬屋のプロポーズで猫猫への壬氏のプロポーズが何話であるかと、その内容についてネタバレで書かせて頂きました。
じれったい、じれったいと思っていた壬氏の行動にも、それなりの意味がちゃんとあったのですね。
まあ、糖度が振り切れないのは猫猫の性格、その一言に尽きると思うのですが。
これから壬氏がどう頑張っていくのか、それが見ものでもあります。
というか、ここまでいくと壬氏がかわいそうになってくる気がしないでもありませんが。
また、生暖かく二人の関係を見守っていこうと思います。
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