薬屋のひとりごとは三種類あります。
コミック版が二つと、小説版。
(小説家になろう版を合わせたら四種類かもしれません)
このうち、最もストーリーが進んでいるのが小説版。
次いでコミック版の『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』。
最も話の流れがゆっくりなのは、コミック版の『薬屋のひとりごと』です。
では、小説版の最新話はどのようなものなのでしょうか。
調べてみました。
薬屋のひとりごとの最新話は?小説版はどこまで進んでいるの?(2023年5月現在)【ネタバレ】
多分にネタバレを含みますので、苦手な方はブラウザバックでお願いします。
薬屋のひとりごと、最新話は小説版の13巻に当たります。
13巻は若干オムニバス形式になっていて、様々な人物が西都から帰還後、どのように日常を過ごしたかが語られています。
章立ては以下のようになっています。
- 人物紹介
- 一話 羅半と三番
- 二話 羅半と首吊り死体 前編
- 三話 羅半と首吊り死体 中編
- 四話 羅半と首吊り死体 後編
- 五話 壬氏と報告
- 六話 天祐の医務室日誌
- 七話 麻美と不器用な弟
- 八話 阿兄正伝
- 九話 燕燕の休日
- 十話 燕燕と恋話
- 十一話 女華という花
- 十二話 女華と妹分
- 十三話 姚と、羅半兄の帰還
- 十四話 阿多の真実
- 十五話 壬氏の動揺、猫猫の決意
- 十六話 猫猫の遅い夕餉
- 家系図 皇族
- 家系図 羅の一家
章立てによれば、最新話は十六話の「猫猫の遅い夕餉」ということになりますね。
薬屋のひとりごとの最新話は?あらすじ【ネタバレ】
最新話ということで、上記の章立てのうち、十五話と十六話のあらすじについて書かせていただきます。ネタバレが苦手な方はご注意ください。
十五話 壬氏の動揺、猫猫の決意
夕餉を取りながら、壬氏は部屋の香が強いこと、夕餉に出されるものが滋養強壮料理ばかりなこと、先ほど入った風呂に花びらが浮いていたことなどから、今夜猫猫が来ることを察します。
それにしても、水蓮がいろいろと部屋を用意してくれたようで、普段より強めに焚かれた香、真新しい布団の上には季節外れのバラの花びら、天蓋の帳は花模様の透かし編み、部屋のあちこちに花瓶と蜜蝋を使った蠟燭が配置され、甘い匂いとともに明かりが揺らめく幻想的な雰囲気を作っています。
あまりに「あからさま」なその部屋の様子に、壬氏は慌てて香と蝋燭を消し、窓を開けて換気をし、花びらや花瓶を片付けます。
そんな壬氏の様子に、水蓮は少々不満げに、「何事も雰囲気って必要でしょう。坊ちゃまは猫猫と両想いになったのですから」と言います。
壬氏はそう言われて焦りますが、両想いと言われて自然と口角が下がっていきます。
いつの間にか猫猫とのことを水蓮に気づかれていた壬氏。
居心地が悪そうに「いや、でも相手は猫猫だぞ」と言います。
すると水蓮は、「猫猫だってもう二十を過ぎていますよ。生娘でも知識はあるでしょう。仕事以外で文を貰って殿方の部屋に来ることの意味位分からないはずありません」と断言。
そうこうしているうちに、猫猫が壬氏の宮へとやってきます。
猫猫は水蓮と壬氏にあいさつすると、半分眠たそうな顔で通されるまま居間に向かいます。
手には大きな布包みを抱えています。
壬氏は「何か飲むか?」と言って玻璃の器に度数の強い、芳醇なアルコールを注ぎます。
香り高い琥珀色の液体。
猫猫はよだれを垂らして喜びます。
そうして最近のお互いの仕事の話をし、夕餉はどうだと壬氏が聞くと、遠慮のない猫猫にしては珍しく迷った様子になります。
そして、壬氏の「何か理由があるのか?」の問いに「理由と言いましょうか、私とていろいろと準備がありましたので」と目を伏せながら言うのです。
そして「そろそろ壬氏さま、奥へ参りましょう」と、寝台の方へ行こうと壬氏を促します。
壬氏はその状況が少し信じられず、「猫猫、一応確認していいか? ここで、俺の寝室に入る意味は分かっているな 病の看病でも、傷の治療でもないぞ」と念を押してみます。
しかし猫猫は、「私としても覚悟をしていろいろ準備をしてきましたので」と、すべて分かっている様子。
いつの間にか二人の周りからは人の気配が消えていました。
壬氏は猫猫をそっと抱き上げると、「どんな準備をしてきたんだ?」と猫猫に聞きます。
すると、猫猫は朝餉と夕餉を抜き、水も半日前から抜いていたと言います。
猫猫曰く、緑青館で大店の客に初物を買ってもらう際の礼儀、とのこと。
「いや、買ったとかそういうわけでは」と壬氏の顔は引きつります。
それでも猫猫の目は本気でした。
何事もやるからには最善を尽くす、そういう職人魂があることを壬氏は思い出します。
そして、以前のようにごまかして逃げ出すのではなく、前向きになってくれた猫猫を嬉しく思います。
けれど猫猫が持ってきた布包みから取り出したものを見て、壬氏は愕然とします。
猫猫が持ってきたものは、鬼灯の根や白粉花、鳳仙花の実などを混ぜた物。
以前から猫猫が後宮において気を付けろと言っていた植物ばかりだったのです。
壬氏は「つまり避妊のためということか? いろいろ準備に手間取ったというのは」と猫猫に尋ねます。
猫猫は「壬氏様の気持ちを受け取った以上、関係を持ったとしてそれは私の合意です。ですが、その合意にはけじめをつける必要があります。私は玉葉后の敵になるつもりはありません」ときっぱりと答えます。
壬氏は唇をかみます。
自分が何者であるのか、そのことを思い出して。
壬氏は猫猫にとっては壬氏ですが、周りからは皇帝の同母弟である華瑞月、月の君と呼ばれています。
自分と、まだ婚姻関係も結んでいない猫猫との間に子が出来た場合、宮廷内に新たな派閥が出来るとも限らず、要らぬ火種を宮廷内に作ることになります。
壬氏はぎゅっと猫猫を抱いて、「すまん、お前に気を使わせて」と申し訳なさでいっぱいになりながら猫猫の肩に額を乗せます。
猫猫は「いえ」と言ってあやすように壬氏の背中をポンポンと叩きます。
壬氏は猫猫のような女性に出会えたことが奇跡だと思います。
だから手放したくないし、腹に焼き印まで押したのはそのためなのです。
そうして壬氏は寝台に転がると、猫猫に今日は帰るようにと言いおいて、思索に耽ります。
自分の立場をはっきりさせること。
玉葉后や梨花妃にも壬氏が敵でないことを示さなければなりません。
皇帝の弟という地位を捨て、皇族をやめるほかありませんでした。
そんなことを頭髪が抜け落ちると思うくらい考えていた結果、猫猫の去り際の言葉を壬氏は聞き逃してしまいます。
「本番なしの方向も想定していたんですけど」
壬氏はそれだけ頭がいっぱいだったということでした。
十六話 猫猫の遅い夕餉
十六話に関しては、五頁しかありません。
内容は、遅い時間に壬氏の下から夕餉を持たされて帰ってきた猫猫が、行儀が悪いながらも布団の中で夕餉をいただきながら酒を飲み、酒に酔った頭の中で今回の13巻の話の内容をまとめていく、といったものです。
もちろん、すべての話に猫猫が関わったわけではないので猫猫が出ている話だけですが、それでもこれから猫猫がどう動いていくのかの指標を示してくれるお話です。
肝心の猫猫は、連想ゲームのように自分の身に起きた色々な出来事を思い浮かべるうちに、酔いつぶれて眠ってしまうのですが……。
薬屋のひとりごとの最新話は?:まとめ
以上、簡単ではありますが、薬屋のひとりごとの小説版、最新話をまとめさせていただきました。
猫猫と壬氏、二人は両想いになったわけですけど、身分の差はかなり大きな障害となりそうですね。
この小説は、その辺りもとても丁寧に描かれているので、すごいなと思います。
それにしても、壬氏が猫猫の最後の言葉を聞き逃さなかったら、今頃どんなことになっていたのでしょうか。
これからますます糖度が上がっていきそうな?薬屋のひとりごと。
先が楽しみです!
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