『薬屋のひとりごと』は日向夏先生が2011年に「小説家になろう」で執筆をはじめ、2012年、2014年にノベライズ化されました。
その後は2017年にコミカライズ化。
コミックは二種類あり、コミカライズ化されるにあたってはなかなかに珍しいケースです。
薬屋のひとりごとが二つあるのはなぜなのか。
二つの漫画は違うものなのか。
また、どちらがおすすめなのかについてもまとめてみました。
薬屋のひとりごとが二つあるのはなぜ?
結論から申し上げますと、公式では発表はなく、どうして二種類のコミカライズがなされたのかについては分かっていません。(原作者の日向夏先生も分からないとおっしゃっています)
薬屋のひとりごとは「ビッグガンガン版」と「サンデーGX版」の二つあります。
どちらも2017年に連載がスタートしていますが、「ビッグガンガン版」の方が若干先にスタートしているようです。
- ビッグガンガン版(スクエアエニックス)2017年5月25日~ 『薬屋のひとりごと』
- サンデーGX版(小学館)2017年8月19日~ 『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』
考えてみたのですが、なんとなく小学館が先にコミカライズを果たしたスクエニに許可を得て始めた気がしないでもありません。
なにせ、人気作品ですから。
または、異なる二つの雑誌で掲載することでの読者層の獲得。
二つの雑誌は、そもそもが読者層が違うのです。
スクエニの「ビッグガンガン」は青年層を対象とした雑誌。
対して小学館の「サンデーGX版」は、少年層を対象としています。
そのため、ターゲットが違うわけです。
原作は死体が出てきたりと刺激的なシーンがあったりしますが、そもそもの内容は比較的健全なので、どちらの雑誌でも掲載できたのではないでしょうか。
そして、それぞれがターゲットが違う雑誌なので幅広く読者を獲得できたのではないかと思われます。
これがコミカライズした時の両出版社の戦略だったのではと。
真相は発表されていないので分かりませんが、これらの理由からコミックは二種類あると考えて良さそうです。
薬屋のひとりごとの二つの漫画は違うものなの?
これも、結論から先に申し上げますと、大して違いはないです。
原作が一緒なので、内容も一緒です。
作画が違うので、読んだときに印象が変わるかとも思いましたが、そうでもなかったです。
ただ、スクエニの『薬屋のひとりごと』の方が若干、謎解きの内容を端折ってしまっているようにも感じました。
肝心のキーパーツがその後どうなったか(ネタバレになるので詳しくは明言しませんが)など、描かれていない点があったりしました。
その反面、壬氏の色気や猫猫の父親に対して見せた無の表情の表現などは、こちらのコミックスの方がかなり上に感じました。
対して小学館の『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』に関しては、原作に完全忠実な印象を受けました。
スクエニ版で若干分かりづらかった謎解きの様子が、こちらでは丁寧に描かれていて、とても分かりやすかったです。
絵も丁寧で、スッキリとしているのでとにかく読みやすいという感じです。
薬屋のひとりごとの二つの漫画はどちらがおすすめ?
一番良いのは両方読むことなのですが、懐事情などもありますよね。
なので、目的に合わせて選んでみてはどうかと思います。
原作を全く知らない方(薬屋初心者の方)なら、おすすめは小学館の『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』です。
これは、とにかく原作に忠実。
謎や複線、推理が分かりやすく、絵柄も好みが分かれたりしない、スッキリと丁寧なものになっています。
よく、表紙絵と中身が違うコミックがあったりしますが、そんなこともなく、表紙の絵柄通りの人物たちが作品内で動き回っています。
あと、ストーリーがサクサク進むので、早く先を知りたいという方にもこちらはおすすめです。
反対に、原作をある程度ご存じで、動いたり喋ったりする猫猫たちを見たいという方には、スクエニの『薬屋のひとりごと』がおすすめです。
こちらはとにかく迫力ある絵が多く、絵が美麗です。あと、デフォルメされたキャラがとてもかわいいです。
キャラの表情がとても豊かで、読んでいて楽しいです。
肝心の謎解き部分も、前述で端折っているとは言いましたが、ある程度原作をご存じの方であれば、ああ、こんな感じになったのね、程度の感覚です。
以上、簡単におすすめを書きましたが、よろしければ参考にしてみてくださいね。
薬屋のひとりごとが二つあるのはなぜ?:まとめ
薬屋のひとりごとが二つできてしまったのは、公式が発表していないので何とも言えませんが、私なりに考察をさせていただきました。
人気作品なので、出版社の間で何かしらの取引なり戦略なりが交わされた結果、今があるのではないかと思われます。
コミカライズは結構、パロディ化されるものが多いですが、この二つの作品はそれぞれが原作通りの進展を見せています。
同じ作品が二つ(原作を合わせれば三つ)この世に出ていることになります。
だとすればやはり、何かしらの出版社側の意図があったと思わずにはいられません。
これも『薬屋』の謎のひとつなのでしょうかね?
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