『北斗の拳』の登場人物には、結構な比率でモデルが存在します。
武論尊先生と原哲夫先生の遊び心といえばそれまでですが。
そんな中で、南斗六聖拳「妖星」のユダ。
彼のモデルは一体誰だったのでしょうか。
調べてみました。
北斗の拳のユダのモデルは誰?
北斗の拳のユダのモデルとなった人物は、「ボーイ・ジョージ」と言われています。
彼はロンドン生まれのアイルランド系イギリス人ミュージシャンで、バンド「カルチャークラブ」のヴォーカリストとして知られています。
澄んだハイトーンボイスを用いて「カーマは気まぐれ」をはじめとする数多くのヒット曲を生み出しました。
ボーイ・ジョージは顔に化粧を施し、奇抜な髪の色に髪型、そして何より美しい顔立ちをした男性です。
見事に化粧映えしたその顔は、「顔の輪郭が整っていると男性でも美しく見えてしまう」ことを世に知らしめました。
なんだかユダと共通する点が見られますね……。これでボーイ・ジョージまでユダと同じナルシストだったら何だか嫌です。
北斗の拳のユダの言う美しさって何?
ユダは恐ろしいほど見た目に気を遣うキャラです。
初登場時はふんどし一丁で自分の肉体美を鏡に映し、そのくせ顔はその筋肉隆々の体つきに反して中世的。
口紅をしっかりと塗るなど、女性のような化粧を施しています。
髪は背中まであるウェーブヘア―で赤く、両端を編んでおさげにしています。
服装にも気を使い、腕には「UD」と刻印の入った金色のブレスレットをしています。
ここまで徹底的にこだわるのは、ユダの「美」への執念ともいえるこだわりがあるからです。
どうしてユダがこんな風に生まれてしまったのかは、理解できませんが……。
ともかく、ユダは異常なまでに美に執着する人物であることは、間違いありません。
さて、ユダが周りに侍らせているのが、すべて美しい女性たちであること。
そして自らに女性的な化粧を施していること。
これらはすべて、ユダの求める美が女性的なものであることを表しています。
けれどもそれだけではユダの求める究極の美には至りません。
「美しさ」の中に「強さ」がともなっていなければ、ユダの考える美の境地にはたどり着けないのです。
けれど、女性のか細い腕ではユダの求める強さには到底、到達することはできません。
そこでユダの初登場シーンが思い浮かびます。
顔に女性的な化粧を施したマッチョこそ、ユダの言う美しさなのです。
けれど、そんな自己満足で完結していたユダの美は、一人の男によって崩れ去ります。
それが、南斗水鳥拳のレイの存在。
修業時代にレイの技を見たユダは、そのあまりの美しさに魂を奪われ、呆然と見とれてしまいます。
そしてその見とれた自分を認められず、レイのことを憎むようになります。
ここでユダが他人を受け入れられる器の持ち主だったとしたら、のちの悲劇は起こらなかったのでしょうが。
ともかく、再びユダは自分の殻に閉じこもり、究極の美しさを持つものとは「女性的な美」と「強さ」を持った自分であり、他のものは唾棄すべき存在である、と思うようになるのです。
まとめ
北斗の拳のユダのモデルと、ユダが目指した美しさについて書いてみました。
ユダは、南斗六聖拳の中でも一風変わったキャラとして描かれています。
個性が強い、と言えばそれまでですが。
他の南斗六星拳が主に人のために己の身を削っていたのに対して、ユダは真逆で自分のためにその知略を使いました。
極めつけは自分大好きなナルシストキャラ。
これだけでも北斗の拳の作品の中では異彩を放っています。
ユダのコミックス登場期間は9巻~10巻と短いのですが、それを感じさせないのは、やはりこのインパクトの強さだろうと思われます。
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